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テノール|大西貴浩 お知らせ
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熊野本宮大社で歌を奉納しました。

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12/7から12/9にかけて、和歌山県の熊野に足を運びました。今回の熊野行きのメインイベントは、夢にまで見た、熊野本宮大社での奉納演奏でした。

今回、熊野をご案内いただいたのは、わたしが小学生のときに飛ばした風船を拾って手紙をくれた羽根さんでした。そして、これだけはどうしてもとお願いし、熊野三山弾丸ツアーを決行。初日は、午後に新宮駅に到着するなり、那智の滝をご神体とする熊野那智大社へ。その滝のパワーはすごいものがありました。ひんやりとした空気に身を清められるようでした。

2日目は、午前中に熊野速玉大社とその摂社である神倉神社へ。神倉神社は断崖絶壁の上にあり、538段の階段、それも、壁と言っても過言ではないほど急な階段を上らなくてはなりません。頂上にご神体のゴトビキ岩が鎮座し、頂上からは新宮市が一望できて最高の見晴らしでした。毎年2月にはこの急な階段を駆け下りる御燈祭りが行われるそうです。その日は女人禁制で、朝から白いものしか食べては行けないそうです。

そして、午後からは本宮中学校にコンサートに訪れました。木をたくさん使った校舎はとてもレトロで、といってもまだ新しいそうですが、ロッジ風で学校とは思えない瀟洒な建物でした。そして、この日の伴奏は音楽の大岡先生にお願いし、「赤とんぼ」や「待ちぼうけ」など数曲、そして、この日のために作詞した「黄色い風船」を初披露しました。羽根さん夫妻がとても喜んでくれたのがなによりうれしかったです。そして、最後に生徒たちが合唱コンクールでうたったという天空の城ラピュタの主題歌「君をのせて」をみんなでうたいました。

その後、念願の大斎原(おおゆのはら)に降り立ちました。昔、本宮大社があった場所です。洪水の被害によりいまの場所に遷座し、今年が正遷座120周年だそうです。熊野は『再生の地』と言われています。大斎原に立ち、翌日の奉納演奏に向けて魂を一度リセットしたようなそんな気分になりました。

3日目、待ちに待った奉納演奏でした。10時より正式参拝が始まり、祭儀が終わってから演奏を始めました。この日のためにハープ奏者の渡邊真位さんが伴奏に駆けつけてくださり、「荒城の月」「くちなし」「小さな空」「Stand Alone」の4曲をとどこおりなく奉納させていただきました。歌っているとき、いままでこういう経験はなかったのですが、実際にはその場所にいないたくさんの友人・知人が背後から見守っていてくれるのが見え(見えるというのもおかしな表現ですが)、自分ひとりで生きているのではなく、多くの人に支えられて生きているのだなということを改めて実感いたしました。そして、改めて自分に関わる全ての人、物に感謝をせずにはいられませんでした。

演奏を終えた後、不在でいらした九鬼宮司のかわりに奉納證をくださった権禰宜の藤井さんに、「次はもっと大きな舞台を用意してお待ちしています」とありがたいお言葉をいただき、またここに戻ってくる決意をいたしました。

この奉納演奏の実現に至るまで、風船を拾って手紙をくださった羽根夫妻、奉納演奏の伴奏に駆けつけてくださった渡邊氏、熊野本宮大社の権禰宜中平氏、本宮中学校で伴奏をしてくださった大岡先生、香川県から演奏を聴きに来てくださった小学校時の担任の香川先生、そして、手紙を大切に保管してくれていた両親をはじめ、ほんとうにたくさんの方々にご協力いただきました。心よりお礼申し上げます。