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テノール|大西貴浩 お知らせ
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10月を振り返る。

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盛りだくさんだった10月を乗り切りました。昨日、10月最後のコンサートを終えました。あとは、明日のTVKへの出演を控えるのみです。

3日には初リサイタルを敢行しました。オール山田耕筰のプログラムは、挑戦でもあり、自分に課したハードルは高かったですが、歌いきれたことで自信に繋がりました。

そして、香川県・まんのう町にある満濃中学校では、私自身初めてとなる講演会をさせていただきました。中学生に夢を持たせてあげられるような話をしてくださいとのことでしたので、音楽の勉強を特別にしてこなかった自分が音楽家になるまでの紆余曲折を話しました。好きだからやりたいという気持ちが一番、そして、遠回りしているようでも人生に無駄なことはない、ということを伝えました。少しでも中学生たちの記憶に残る話ができていればいいなと思うばかりです。満濃中学のブラスバンドとの共演もよい思い出です。

また、今月は2回の津軽三味線・福居一岳くんとのコンサートがありました。このコンサートは『和響』と題して開催しており、10/25の津軽そば・芳とも庵でのランチコンサートが第3回目のコンサートとなりました。レパートリーも少しずつですが増えてきました。クラシックの曲を津軽三味線の伴奏で歌うのですが、ふたりで色々な可能性を探りながら曲を作り上げていく作業は、とても楽しい時間です。津軽三味線は即興性の強い楽器ですので、本番になるまでどう仕上がるかわかりません。それが怖くもあり、また面白くもあり。これからどんな音楽ができていくか、楽しみでなりません。

年内は11/8、12/12と『和響』があと2回もあります。たくさんの人に聴いていただければ幸いです。

りんけんバンド・照屋林賢さんと対談。

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照屋林賢さんと対談させていただきました。沖縄のことを本当に愛し、音楽に真摯に向き合っている姿に感銘しました。言葉がとっても深かったのが印象的です。

初リサイタル、山田耕筰をうたう

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10/3に私自身、初となるリサイタルを開催しました。「大西貴浩テノールリサイタル 日本歌曲シリーズ 山田耕筰を訪ねて」と題し、すべて山田耕筰のプログラムで構成しました。赤とんぼや、この道などのよく知られた曲から、組曲・幽韻など、あまり上演されることのない曲まで22曲を演奏しました。満員御礼で開催できましたこと、ご来場くださった皆様に心より感謝いたします。

日本歌曲の勉強を始めてから1年半、少しずつ山田耕筰のレパートリーを増やしていき、ここ数ヶ月は山田耕筰の歌曲をひたすら練習する毎日でした。特に山田耕筰の作品は、楽譜に書かれた記号をいかに正確に歌唱できるかが求められます。強弱記号を頭に叩き込むには相当歌いましたが、このリサイタルですべて取りこぼしなく歌えたかというと、もちろんそうではありません。

しかし、このリサイタルを終え、お客様の感想を聞いていると、楽譜上の指示を忠実に守ることで、聴いている方にはそれが心の動きとして伝わるということがよくわかりました。改めて、山田耕筰のすごさを感じることができました。

また、今回は衣装にもこだわりました。以前よりやってみたかった、着物でのコンサート。今回は着物を新調しリサイタルに臨みました。1部はいつものようにタキシードで歌い、2部になり着物で登場すると、お客様から驚きの声と拍手が起こりました。着物はお客様からも好評で、これからは着物で歌うのもいいなぁと思っています。

今回は大学の図書館に勤務する、友人の折戸義央氏に曲の解説をやってもらいました。方言で書かれているもの、いまは使われていない言葉で書かれているものがたくさんありましたので、言葉の説明を入れつつ、わかりやすい曲解説はお客様からも大変喜ばれました。また、ピアノ伴奏をしてくださった下岡達朗氏には、ご自身が教鞭をとる専門学校での公開リハーサルまでご提案いただきました。そのお心遣いにより、声楽に触れたことのない方たちにも日本歌曲を聴いてもらうことができました。この場をお借りしまして、お二方には感謝の気持ちを述べさせていただきます。本当にありがとうございました。

今後も日本歌曲に真摯に取り組んでいきたいと思います。これからもご声援よろしくお願いいたします。

*プログラム*

1部
あわて床屋
この道
城ヶ島の雨
待ちぼうけ
鐘がなります
六騎
「幽韻」
花のいろは
忘らるる
あらざらん
玉の緒よ
わが袖は

2部
からたちの花
みぞれに寄する愛の歌
かやの木山の
中国地方の子守唄
「AIYAN」
NOSKAI
かきつばた
AIYANの歌
曼珠沙華
気まぐれ
赤とんぼ
秋の夜

熊野本宮大社での奉納演奏<後編>

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9/18、快晴。昨日までの雨が嘘のように晴れ渡りました。今年で2回目となる本宮大社での奉納演奏。昨年は、奉納演奏当日不在だった宮司と、翌日、都内の飲食店でばったり会うという奇跡がありました。今年は宮司も大社におられ、奉納演奏を聴いてくださいました。そして、拝殿の中ではなく、秋晴れの空の下でやってもらえばよかったとおっしゃってくださいました。次回、天気がよければぜひ本殿前で歌ってみたいものです。

*黄色い風船
*荒城の月
*糸
*スタンドアロン

の4曲を奉納いたしました。奉納する曲目は、当日の朝、歌いたいものを歌います。はじめに、こんな感じでいきますというのは伴奏者にもお伝えしますが、朝になってやはりこれ!ということもしばしば。奉納の様子はまた後日アップします。

奉納の後は、新宮の老舗の鰻屋、鹿六さんへ。関東で食べるフワフワのウナギとはまた違って、身がブリブリしていて肉厚で美味しかったです。

ウナギの後は、本州最南端にあるという神社、潮御崎神社へ。参道は石垣がくまれており、どこか沖縄を感じさせる作り。主祭神は少彦名命。あまり訪れる人もいないのか、ひっそりとしていてどこかむやみに足を踏み入れてはいけない雰囲気が漂っていました。参道の脇に崖まで続く道がありました。景色は絶景。けれども、ここも引きずり込まれそうな美しさと言うか…。

さて、翌日は本宮大社の講社大祭。おおくの講員が集まるお祭りです。我々の健康、昌運を祈願していただきました。式の最中にふと空を見上げると、快晴の空に虹がかかっていました。彩雲というそうです。とても縁起が良さそうです。あるいは、この日が初七日だった愛猫・コムギがやってきたのかも知れません。スーツケースに入るのが大好きだったので、旅行に連れて行ってほしかったのかも知れませんね。講社大祭に関する本宮大社公式ウェブサイト内の記事はこちら。

今年で2回目となる熊野本宮大社での奉納演奏。この奉納演奏はライフワークとしてやっていきたいと思っています。宮司にもそうお伝えしたところ、とっても喜んでいただけました。そして、講社大祭の後、電車までの数時間で、ずっと行きたかったお滝さんにも行きました。風船を拾ってくださった羽根さんが、以前からぜひ見てほしいと言っていた場所です。滝の脇に腰掛けて、買っていったお弁当をみんなで食べました。遠足のようで小学生の頃を思い出しました。あの頃飛ばした風船が結んでくれた縁。これからも大切にしていきたいと思います。

次は4月に熊野に訪問する予定です。詳細はまた後日。

熊野本宮大社での奉納演奏<前編>

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和歌山県・熊野へコンサートと奉納演奏に行ってきました。

9/16、午後に熊野入りし、夜には川湯温泉にあるペンション・あしたの森でコンサートを開催しました。会場にはたくさんの人にお集まりいただき、大盛況となりました。オーボエ大下裕子さん、ハープ渡邊真位さんとともに、日本の歌を演奏いたしました。また、彼女らにもそれぞれソロ曲を演奏してもらい、なかなか間近で聴くことのないオーボエとハープの音色に、みなさんとても熱心に聴き入っていました。川湯温泉の女将さんたちも勢揃いしたとのことで、今日は女将会だねという声も聞こえてきて可笑しくなりました。光栄なことですね。

9/17は前日から降り続く雨の中、熊野の奥宮といわれる玉置神社に向かいました。車1台がやっと通れるほどのくねくねとした細い道を数十分登ったところにあります。神社は霧に包まれ、とても幻想的な雰囲気でした。雨の神社も悪くはありません。大きな杉が何本も立っており、大きなものでは11メートルにもなるとのこと。

そして、下山して十津川村にある瀞峡に向かいました。和歌山・奈良・三重の3県をまたいで流れており、まるで中国の水墨画を彷彿とさせる大渓谷です。雨が降っていないときはもっと澄んでいるのだそうです。上流から下流へ、そしてその逆も船で行き来できます。天気がいい日に乗ってみたいものです。

日本のマチュピチュとも呼ばれている赤木城跡近くに、丸山千枚田という棚田があります。いま、ちょうど稲穂が実っており、黄金の棚田はなんとも美しい眺めでした。ところどころに生える曼珠沙華の赤がアクセントになり、美しさを際立たせています。

その後、熊野市にある花窟神社と産田神社へ参拝しました。

花窟神社はイザナミノミコトの御葬所と言われている神社です。社殿はなく、70メートルの巨石がご神体となっています。

そして、産田神社は、イザナギノミコトがカグミカヅチノミコトを産んだあとに火傷で亡くなったと言われている場所にある神社です。玉石が敷き詰められた場所は、ひもろぎと呼ばれる昔の祭祀場で、神を招いた場所です。現存するひもろぎは日本には2つしかなく、その一つだそうです。

お楽しみの夜ご飯は、川湯温泉にある立石さんで宴会。熊野牛のしゃぶしゃぶや、クジラの刺身をいただきました。小学校の給食で立田揚げは食べたことがありましたが、刺身はもちろん初めて。おそるおそる口にしたところ、特に臭みもなく、つるんとした食感で柔らかく美味でした。

続く